事例:①価格up(自主)

基礎情報

就労継続支援B型事業所(社会福祉法人:宮城県)
利用者:20名
主な作業:お菓子の製造・販売

問題・ニーズ

全国の事業所で多く取り組まれているクッキーですが、とりわけ当事業所のクッキーは大変美味しく、イベント販売ではいつも販売金額上位の人気商品でした。
しかしながら、販売数は伸び、売上が上がっても、利益が残らず、結果、工賃向上につながっていません。 そこで正確に計算原価を算出したところ、原価率が50%を超えている状態になっていました。

理想と課題解決の方向性

理想は言うまでもなく、売れれば売れるほど、利益(=工賃支払い原資)が適切に残る形です。
よって、これを目指すために「戦略:①価格up(自主)」を選択しました。

実施内容

伝え方の変更
「国産小麦、高級バターを使用しているからおいしい」というこだわりを伝えることに注力しました。そして、資材がなくなるタイミングを見計らって、パッケージを変更し、一目で「国産小麦・高級バター使用」とわかるようにしました。またイベント時に使用するpopでも、しっかりアピールするようにしました。

値上げ
安かろう悪かろう(品質保証価格)から脱却し、納得価格(これだけいいならこの値段で納得)に変更することにしました。

ポーションダウン
値上げと同時にポーションも見直し、計算原価で35%となるように、価格は200→300円、ポーションを90g→80gに同時に変更しました。

成果

販売数は、値上げ後の方が増える
価格を1.5倍にして、ポーションを下げる、という変更は「従来のお客様が離れてしまわないか」「そんな金額で売れるのか」等心配も多くありました。しかし、結果的には、300円に値上げした方が販売数が伸び、その値上げ分は全て利益(=工賃支払い原資)となったため、工賃向上に直結する構造に変化しました。