事例:③生産性向上(自主)​

基礎情報

就労継続支援B型事業所(社会福祉法人:山形県)​
利用者:39名 ※B型20名、生活介護19名​
主な作業:農業(観葉植物・花苗等)、食品加工 等​

問題・ニーズ

こちらでは、かなり大規模に植物を育てておられ、生活介護の方も同じく作業に取り組んでおられます。​
商品開発し、人気商材(高級寄せ鉢)を販売していましたが、花苗等が高級なため、ミスをすると大きく原価に影響を与えてしまいます。そのため、利用者に業務を任せられず、支援者のみで作業している時期が長く続いてしまっていました。​

理想と課題解決の方向性

理想は、高級寄せ鉢で、一部の工程(具体的には準備)だけでもできるようになってもらえるとありがたい、という話でした。​
よって、これを目指すために「戦略:③生産性向上(自主)」を選択しました。​

実施内容

作業アセスメントシートの作成​​
まずは主要業務である農業について、「要素作業」(秒単位の作業)を洗い出し、各要素作業に対して、利用者ができる/できない差となる「必要能力」を抽出して、作業アセスメントシートを作成しました。その当時で全15種のシートを作成しました。​

アセスメントとケース会議
上記15種のシートを元に、当時利用者である39名全員分(生活介護含め)、アセスメントを実施しました。15種×39名ですので、約600枚のアセスメントシートを作成したことになります。​
さらに、各個人別に目標を設定し、これができるようになるためには、どのような治具開発・訓練を実施すればいいかをケース会議にて検討しました。​

成果

工賃向上と支援は完全一致​
実際に2か月で約600枚の作業アセスメントシートを作成し、ケース会議を経て、担当の方が仰った言葉です。工賃向上のために徹底して支援に取り組んだから人しか言えない言葉たど感じます。​
もちろん、現場では利用者のできることが増え、支援者の目も揃ったので指示も出しやすくなり、かつ統一した声掛けができるようになりました。​
もともと人気商品の開発はできていたので、予約販売にも対応できるようになり、大幅な売り上げ増に繋がりました。​
今後は、農業だけでなく、他作業の食品加工や請負にも展開していく予定です。​